2024年辰年
今年は新年に能登半島にて、
大きな地震がありました。
お亡くなりになられた方々へのご冥福を
お祈りするとともに、
被災されたみなさまが、
一日も早く健やかな日常を送れることを
願っております。
また、能登のことだけではなく、
世界中で悲しい出来事が今も起こっています。
演劇に社会を直接変える力はないかもしれない。
しかし、心が変われば世界の見え方が変わります。
私は私ができることを精一杯やろうと思います。
人は誰でも心の中に自分だけの宇宙を持っている。
それは、あなたが作り出した不思議の国、
自分だけのワンダーランドだ。
想像力は無限に広がり、
半畳の世界から宇宙が生まれる。
それをもっとたくさんの人が思い出してくれたら、
この世界から悲しいことがきっと減っていく。
今年は新作ひとり芝居をまとめて作ります。
今考えているラインナップは下記の通り。
・『ドグラ・マグラ』(作:夢野久作)
・『ロミオとジュリエット』
(作:ウィリアム・シェイクスピア)
・『サロメ』(作:オスカー・ワイルド)
・『古事記』(編纂:太安万侶、誦習:稗田阿礼)
・『クラリモンド』
(作:テオフィル・ゴーチェ、翻訳:芥川龍之介)
現代では、劇と言えば会話が主体、
それが当り前の感覚ですが、
演劇の歴史は相当古い。
原始、俳優は一人であった。
演劇が祭りや神事に近かった頃に遡ると、
その痕跡がいたるところにあります。
日本の創成神話を語った稗田阿礼、
中世ヨーロッパの吟遊詩人、
平家の物語を琵琶を弾きながら語った琵琶法師、
その他にも、落語、漫談、講談、義太夫、
今から二千年以上前に生まれたギリシャ悲劇でも、
最初、俳優は一人でした。
私は、演劇が神代の時代に持っていた
エッセンスとエネルギーを現代に接続したい。
そう思って創作をしています。
今年は辰年、
遠い昔の物語をみなさんに運び、
人の心の中にある想像力をエネルギーにして、
ふわふわと昇っていこうと思います。
半畳の宇宙の活躍をお楽しみに。
半畳の宇宙 代表・斉木和洋