半畳の宇宙

私たち「半畳の宇宙」は、
カフェ、居酒屋、BAR、銭湯の浴場、スナック、アパートの一室、工場を改装したギャラリーなど、
劇場にとらわれない様々な場所で、文学を演劇作品に仕立てて、上演してきました。

これまで上演したのは、
宮沢賢治・原作『よだかの星』、
太宰治・原作『駈込み訴え』『走れメロス』、
中勘助・原作『犬』、
カフカ・原作『変身』、
サン=テグジュペリ・原作『わたしの中の王子さま』、
中原中也・原作『お会式の夜』など。

はるか遠い昔、
アフリカで誕生した原人たちが、
野を越え、山越え、 海越えて、世界の果てまで続く旅の途中で、
初めて体験する摩訶不思議な出来事を、
身振り手振りで仲間に伝えていた光景を想像します。
演じることはそこから始まり、
言葉は深まり、サルはヒトになったのではなかろうか。
炎を囲んで演じられた原初の演劇に思いをはせる。
俳優とは、歌い、舞い踊り、語り、奏でるものであったのだ。
私たちは、歌うように語り、踊るように動くことを大切にして、
演劇がこの世に誕生したときに孕んでいたエネルギーを
現代に注ぎたいと思って表現活動を行っています。

俳優の声と体と心を駆使し、
お客様の想像力をお借りして、
ここではないどこかにある世界を立ち上げます。
俳優が立って、座れる半畳のスペースがあれば、
どんな場所でもそこが劇場に変わる。
手足を伸ばせる距離は限られていても
想像力は無限に広がる。

半畳の世界から宇宙が生まれる。
そして、人は誰でも心の中に、自分だけの宇宙を持っている。